インテージテクノスフィア技術ブログ

株式会社インテージテクノスフィアの社員達がシステム開発や仕事に関する技術情報を随時掲載いたします

Jira課題コレクターを使って業務効率化

こんにちは。インテージテクノスフィア技術ブログ担当のアイダです。今回はリサーチシステム本部のIさんに投稿いただきました。

当社では2016年頃からプロジェクト管理ツールに、Confluence、Bitbucket Server、Jira Softwareといったアトラシアン製品を導入し、その時中心となって導入を進めたのがIさんでした。最初は社内の1部署でのみ利用されていましたが、今では当社のプロジェクト管理の標準ツールになっています。

今回はJiraを使った業務効率化について書いていただきました。ぜひご覧ください。


リサーチシステム本部のIです。

働き方改革や業務効率化って、1人でやっても効果には限界がありますよね。チームや会社で効果があってこそのものだと思います。インテージテクノスフィアでは、日々大小さまざまなシステム開発や維持保守運用を行っていますので、その業務運営の効率化はとても重要な課題です。

Attlasian Jira Software 導入と展開状況

インテージテクノスフィアでは、Jira Software(以下、Jira)をはじめ、WBSガントチャート for Jira(以下、WBSガントチャート)、Confluence、Bitbucket Server(以下、Bitbucket)といったアトラシアン製品および関連製品を導入しています。

Jiraをアジャイル型開発、ウォーターフォール型開発などのプロジェクト管理ツールとして利用、Confluenceは開発ドキュメントの共有などから社内の様々な情報共有ツールとして発達、BitBucketでは開発ソース管理の高度化が進みました。また、これらを組み合わせた開発運営により、更なる開発業務の効率化を行ってきています。

導入拡大時にリックソフト様にご協力頂いておりましたが、その後もリサーチテクノロジー本部を中心としてJiraの利用を広げ、開発系部署ではJiraの利用が標準になっています。そして、多くの人数が使うことにより、効率的な利用方法も広まってきています。また、ツール利用にとどまらず、スクラム開発の実践などDX時代にマッチした開発業務運営にも挑戦し続ける頼もしい方々もいらっしゃいます。

参考)Jira,WBSガントチャート,Bitbucket,Confluence 導入事例 | リックソフト

www.ricksoft.jp

参考)チームがもっと強く、幸せになるためにーースクラム開発への挑戦

www.pr-table.com

Jira課題コレクター機能による課題解決

Jiraの基本の単位は「課題=Issue」です。この「課題」を様々なプロジェクトで適用できるように、「プロジェクト」というまとまりによって管理することができます。

基本的にはJiraが用意してくれているテンプレートを使えば準備完了です。プロジェクトチームの計画、実行、ふりかえりを行うことができるようになります。

そして、更にJiraはこの「課題」や「まとまり」を柔軟にカスタマイズすることで、業務の応用範囲を広げて業務効率化につなげることができるツールです。

例えばワークフローのカスタマイズが代表的な例ですが、課題のフィールドを追加したり、画面を変更することもできます。更には作った設定を、複数プロジェクトで使いまわしすることもできます。

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参考)課題の設定|Atlassian

ja.confluence.atlassian.com

また、Jiraには課題コレクターという機能があります。

通常は、Jiraの画面から「課題作成ボタン」をプロジェクト関係者がクリックし、課題を入力してもらいます。

これを、プロジェクト外部の人に課題を作ってもらうという機能です。

「Jiraプロジェクトの設定 → 課題コレクター → 課題コレクターを追加」という手順で作成すると、自身のWEBサイトに課題作成画面を埋め込むことができます。

埋め込んだ後はこんな感じに見えます。

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このボタンを使う人はJiraへのライセンスは不要ですので、WEBサイトにアクセスすることさえできれば利用することが可能です。

「フィードバックを送る」というものがデフォルト値です。ボタンをクリックすると、以下の様な画面が出てきます。

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入力して「送信」をクリックすると、設定したJiraプロジェクトに「課題」として入力されます。ですので、手軽に顧客からのフィードバックを収集し、開発したソフトウェアの改善タスク(バックログ)として扱うことができるようになります。

「バグの報告」の場合には以下の様になります。

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こちらも利用者の方からのフィードバックですね。商用サイトで設置するには勇気がいるかもしれません。

「カスタム」を選択した場合には以下がデフォルトの画面です。

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いずれも、WEBサイトに設置するためのJavaSriptをJiraが生成してくれますので、そのJavaScriptをWEBサイトに埋め込めば、「課題コレクター」が完成です。

参考)課題コレクターの利用|Atlassian

ja.confluence.atlassian.com

Jira課題コレクターの応用

これを使って、システムに関する社内問合せの窓口に応用してみました。

インテージテクノスフィアは、インテージグループ内のシステム開発の相談も行っていますのでその窓口に利用しています。

具体的なフィールド名など、詳細な設定内容は割愛しますが、手順は以下の通りでした。※グローバル権限が必要な手順が含まれます。

① 窓口を管理するJiraプロジェクト向けに、事前に以下を設定

課題タイプの追加 課題タイプ別にワークフローを割り当て、デフォルトの担当者を指定 カスタムフィールドの追加 画面へのカスタムフィールドの割り当て 通知スキームに、課題作成後に通知されるように設定。また、関係者のグループにも通知されるように設定。

② 課題コレクターの作成

①で作った課題タイプを指定して作ります。

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今回は、「トリガーのスタイル」などは「カスタム」にして、別途専用に作ったWEBページ内JavaScriprtのonclickイベントでフォームが立ち上がる様にします。

また、①で作ったカスタムフィールドを課題コレクターの画面に表示できるように設定します。

その結果、以下のことが実現できるようになりました。

  • 課題タイプ別の主担当者に相談がダイレクトに届くようになった → 主担当者が明確

  • 主担当者以外の人たちへも課題の周知も同時に行われる → 情報共有が瞬時

  • 課題内容別のワークフロー管理により、適切な進捗管理ができるようになった → タスク実行漏れの検知が容易

  • Jira課題画面上でコメント記載することにより、その後の進捗内容も追跡できるようになった → 追跡が容易

  • 窓口から開発者への共有や、担当者の付け替えが容易になった → タスクの引継ぎ時に、経緯を伝える手間が省ける

  • 問合せ者からの質問がフォーム化により厳密化されるようになった → 初動がしやすい

Jiraを既に導入していましたので、追加の経費は不要でした。

まとめ

今回は、案件相談の業務効率化という面でのツール利用についてご紹介させて頂きました。こうしたツールの活用により、当然と思っていた工数が削減されたり、新たな価値が産まれたり、またはチームやチームを越えたシナジーを生み出すことができるポテンシャルがあるという印象です。

昨今、新型肺炎の影響で社会に大きな影響があると思いますが、逆に効率化するチャンスと見ていろいろな工夫をして行き、それが未来に広まっていくと良いなと思うこの頃です。