インテージテクノスフィア技術ブログ

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RPAのロボットを増産したい

インテージテクノスフィア技術ブログ担当のアイダです。

今回は、グループ会社向けの基幹システムを開発する部署に所属するSさんの記事をご紹介します。働き方改革の目的である生産性の向上を実現する手段のひとつとして注目されている「RPA(Robotics Process Automation)」。Sさんの所属する部署では、2年前からいくつかの業務でRPAを適用しており、他部署からの問い合わせ(RPAツールの使い方や、ライセンス貸し出し管理など)対応を行い、社内のRPA伝道師とも言われています。

当社でのRPAの活用事例や、RPAツールのライセンス形態の違いなどについて投稿いただいました。みなさま是非ご覧ください。


はじめに

こんにちは。インテージテクノスフィアのSです。

私が所属する部署では、2年前から「WinActor」というRPAツールを使ってきました。この2年間に、複数の業務でWinActorを使い業務効率化を図ってきましたが、弊社におけるRPA活用事例として2つご紹介します。

※WinActorについては、下記URLにてご参照ください。winactor.com

RPA活用事例紹介

1つ目:システムクローズに伴う、過去データの出力作業

新システムへのリプレースに伴い旧システムをクローズすることになり、過去データのアーカイブが必要になりました。 対象となるデータ件数は過去2年分と数が多く、人力で作業するには非現実的でした。かつ納期が迫っていたため(期限は約2か月間、期限を過ぎるとサーバーを返却しなければならない)、システム開発も難しいといった状況でした。

WinActorで人が操作する手順をシナリオ化し、昼夜動かし続け無事納品できました。 こちらは単発の大型の運用業務でRPAを活用し、人を雇わずに対応することができた事例です。

2つ目:Web上で提供の分析サービスの利用状況確認

契約データの件数情報をEXCELに転記し、利用制限値を超えていたらメールでアラート通知するのをRPA化しました。 こちらは、一時間ごとに今も動き続けている事例です。

ライセンス形態の違いについて

今年3月のライセンス更新で今まで使っていたノードロック型のライセンスから、フローティング型ライセンスに切り替えることにしました。

切り替えにあたり、それぞれのライセンス形態の違いや、期待されることが分かってきたので、整理してみなさまにもお伝えしたいと思います。

フローティングライセンスに切り替えた理由

今まで使っていたノードロックライセンスは、1台のPC環境への固定ライセンスとなっており、数部署で合計4台ほど購入していました。 固定環境なので、次のような不便さがありました。

  • 原則、最初に導入した特定環境でしかシナリオを作れない&動かない。その為、違う環境(PC)用のシナリオ(=ロボットを動かすプログラム)を作ることができない。
  • 社内での共同利用拡大が期待できない。
  • 各部署でライセンスを購入する必要があり、導入部署が増えると費用がかさむ。

このような理由から、今回は社内の複数部署の折半にてフローティングライセンス版(共同利用)で購入することにしました。

一方、フローティングライセンスにすると、次のようなメリットがあります。

  • 使用できる環境が固定化されない為、いろんな環境でシナリオ実行を試すことが可能。
  • シナリオ作成作業がどこから(誰から)でもできる。
  • 貸出管理がシステムで一元化できる。
  • 社内の利用拡大が進む。

ただし、管理ライセンスが高額なため、今回は1ライセンスのみ購入しました。 そのため、シナリオは1名しか作成できず、2名同時にシナリオ作成することはできません。

同時に1人しかシナリオ作成ができない環境でスタートするため、当面は業務利用での貸し出しや長期貸し出しはせず 購入部署の業務用に限定して運用しようと思っています。 ただそれだと、前述のメリットが生きないので、利用状況を見て運用変更したいと考えています。

RPA活用として取り組みたいテーマ

今後取り組みたいテーマは下記です。

1. 社員の多数にメリットがあり効率化ができるシナリオを実現したい

例えば、A社では、社員の交通費精算の代行をRPAで実現しているそうです。

明日までに、「精算しといて!」というメールをロボットに送ると、依頼した社員のカレンダを参照して交通費精算システムで明細入力まで完了し、翌日に申請ボタンを押す状態になっているそうです。営業マンが数日まとめて精算したいときは評判いいそうです。

2. グループ会社各社も含めて他部署のシナリオ作成支援、導入支援の業務を増やしたい

管理部門の業務がロボット化に向いていると思いますので、そういった部門の導入支援を増やしたいと思います。

最終的に、下記の絵のように全社で利用、活用できる体制を望んでいます。

f:id:intage-tech:20200316172255p:plain シナリオ作成時のコストはかけず、現場は実行版(こちらは比較的安価)だけ用意すればよいというのが理想です。

最後に

今回はまずはフローティングライセンスを1つだけ購入したのですが、お試し利用で良さそうと思った部署がもう1ライセンス購入し、同時にシナリオ作成ができるようにし、社内でRPAのロボットがたくさん動いている状態にしていきたいと思っています。 人が行っている単純作業をRPAに任せ、より付加価値の高い業務が遂行できるようにすることを目標としています。

お読みいただきありがとうございました。