
「Tableau Serverを最新バージョンにしたい。でも、OSの移行も必要…」
そんな状況に直面すると、全体の流れを把握するのは意外と大変です。
Tableau Serverのバージョンアップだけならまだしも、OS移行まで絡むと、手順の整理やハマりどころの予測など、考えることが一気に増えます。
本記事では、
・Amazon Linux 2からAmazon Linux 2023への移行~Tableau Server 2025系へのバージョンアップまでの全体フロー
・実際にやってみて分かった注意点
をまとめ、スムーズな移行を実現するためのヒントをお届けします。
「どこから手をつければいい?」と悩んでいる方に向けて、全体像をわかりやすく整理した記事です。
はじめに
はじめまして、インテージテクノスフィアの城所です。
私たちインテージテクノスフィアは、Salesforce社の認定パートナーとして、Tableauの導入から開発・運用までをワンストップで支援しています。
Tableau Serverは、企業内で安全にデータを共有・分析するためのオンプレミス/クラウド対応プラットフォームです。ダッシュボードの公開やユーザー管理、権限設定などを一括で行えるため、組織全体でのデータ活用を強力に支援します。特に大規模環境やセキュリティ要件が高いケースでは、Tableau Serverの柔軟な構成と拡張性が重要な役割を果たします。
そんなTableau Server 2025.1 以降では、Amazon Linux 2 がサポート対象外となり、Linux 環境で運用している場合は Amazon Linux 2023 などへの移行が必要になります。
本記事では、Amazon Linux 2 上で稼働している旧バージョンの Tableau Server を、Amazon Linux 2023 環境へ移行し、その後 Tableau Server 2025系へバージョンアップするまでの全体フローを整理します。
併せて、実際の移行作業で遭遇しやすい注意点や落とし穴についても解説いたします。
移行手順
移行全体フロー
今回は、旧環境(Amazon Linux 2)を稼働させたまま 新環境(Amazon Linux 2023)への移行を行いました。

各移行手順
※今回は具体的なコマンドについては割愛いたします。
新規EC2インスタンス作成(Amazon Linux 2023)
Tera Term等のクライアントツールを用いて接続し、ロケールやSSH設定等を行います。Tableau Server旧バージョンインストール
今回はデータのリストア・検証を行った後にTableau Serverのインプレースアップグレードを行うため、新環境(Amazon Linux 2023)へ旧バージョンをインストールします。旧環境(Amazon Linux 2) → 新環境(Amazon Linux 2023)へファイル転送
Tableau Serverのバックアップファイル・設定ファイルを転送します。
設定ファイルには下記の二種類があります。registration_file.json:Tableau Serverのライセンス登録情報を含むファイル
path-to-file.json:Tableau Serverの構成情報(設定やオプション)をエクスポートしたファイルまず、旧環境(Amazon Linux 2)にて、
tsmコマンドでTableau Serverのバックアップファイルを作成します。
※バックアップ取得中は、Tableau Serverのデータソース抽出等のジョブが起動していない状態がベターです。次に、作成したバックアップファイルおよび各設定ファイルを、
scpコマンド等で新環境(Amazon Linux 2023)へ転送します。新環境(Amazon Linux 2023)でリストア & 設定適用
転送されたTableau Serverのバックアップファイルからデータのリストアを行います。
併せて、registration_file.json・path-to-file.jsonの各ファイルをTSMに適用します。各種設定
その他、皆様の環境に合わせて各自設定をいただければと思います。
例:- ドライバーのインストール
- タイムゾーンの変更
- フォントのインストール(文字化け対策等)
- TSMのサブスクライブ設定
バージョンアップ
新環境(Amazon Linux 2023)にて、Tableau Server 2025.1.Xへのインプレースアップグレードを行います。ルーティングの切り替え・ライセンスキーの解除
旧環境(Amazon Linux 2) → 新環境(Amazon Linux 2023)のルーティングの切り替えや、旧環境におけるTableau Serverのライセンスキー解除を行い、完了です。
ハマりがちな落とし穴
Amazon Linux 2023への移行時やTableau Serverバージョンアップに伴い、以下のポイントにご注意ください。
① RSAキーでのSSH接続時の注意(Tera Term)
Tera Termを使用してAmazon Linux 2023にRSAキーでSSH接続する場合、Tera Term 5系の利用が必須です。
Tera Term 4系では、Amazon Linux 2023へのSSH接続時に暗号化方式の不一致によるエラーが発生します。
古いクライアントを利用している場合は、事前にバージョンアップを行いましょう。
② wgetでのUser-Agent指定
Tableau Serverのインストーラをwgetで直接ダウンロードする際、デフォルトのUser-AgentはSalesforce側で拒否されるため、User-Agentを明示的に指定する必要があります。
指定しない場合、403 Forbiddenエラーが発生します。
これはAmazon Linux 2023特有の問題ではありませんが、移行作業時に遭遇しやすいのでご注意ください。
③ cronの非推奨とsystemd timerへの移行
Amazon Linux 2023では、crontabを含むcronieパッケージがデフォルトでインストールされていません。代替として、systemd timer/serviceの利用が推奨されています。
参考: AWS公式ドキュメント
*1
Tableau Serverの運用においてログクリアやバックアップなどの定期ジョブを設定している場合は、この機会に移行をご検討ください。
おわりに
本記事では、Amazon Linux 2023への移行フローと、作業時に注意すべきポイントをご紹介しました。
冒頭でも記載した通り、インテージテクノスフィアはSalesforce社の認定パートナーとして、Tableauの導入から開発・運用、さらにはバージョンアップやクラウド移行まで、ワンストップで支援しています。
「ビジネス課題の解決に向け、データ利活用を始めたい」
「移行・運用に不安がある」
といった課題がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。