インテージテクノスフィア技術ブログ

株式会社インテージテクノスフィアの社員達がシステム開発や仕事に関する技術情報を随時掲載いたします

オンライン+リアルでの新人研修完了!そして知見共有

こんにちはアイダです。3か月間の新人研修は、当初オンラインのみでしたが、途中よりオンラインとリアルの混合という形での研修に挑戦した研修担当のOさん! スムーズに新人さんが研修に取り組めるよう、色々なツールを駆使して奮闘した事が伝わってくる内容です。オンライン会議や研修に悩んでおられる皆様のお役に立つ知見に溢れています!是非ご覧ください。

※2月のフルオンラインでの研修実施については以下の記事をご参照ください。

www.intage-ts.com

まえがき

こんにちは。人事企画部のOです。

4月から実施してきた新入社員研修がようやくゴールを迎えたので、自分の備忘録のためにも何かしらの知見の共有のためにも、記録して残そうと思って投稿している次第です。

本当は研修カリキュラムの内容についても触れたいと思っていたのですが、あまりに範囲が広くなってしまうので今回は研修をどのように実施してきたかに絞って書こうと思います。

ちなみに以前にブログを書いた時は「リモート」という表記にしていたのですが、「オンライン」の方がより実態に即した言い方だな~と思って変えました。 こんな内容で書いてみます。

1.状況

4月8日から5月29日までがオンラインでの研修、6月1日から30日までがオンライン+リアル会場での研修でした。

それぞれ下記の状況です。

オンライン  2か月

対応者 場所
講師 自宅
人事 自宅
新入社員 自宅
サポート社員 自宅

テキスト:紙書籍を受講者に配布済み、講師には加えて電子書籍も購入してもらう。

オンライン+リアル:1ヵ月

対応者 場所
講師 ひばりが丘会場
人事 ひばりが丘会場1名、自宅1名、を交代体制
新入社員 自宅1名、ひばりが丘会場25名
サポート社員 自宅またはひばりが丘会場

テキスト:講師のオリジナルテキストが多く書き込みが必要なものは印刷する必要があったため、オンライン参加者には印刷して郵送。会場には通常通り配付。

オンラインの状況の時に懇親会が2回、ランチ懇親会が2回、レクリエーションを3回行っています。 書き出してみるとけっこう頻回に懇親の機会を設けてますね。

2.使ったツール

  • Zoom

  • Slack

  • miro

  • Slido

  • 特製モニター

この他にもチームごとではTeamsを使ったりしていたみたいです。

Slack

チャンネルと呼ばれるチャットスペースを作ることで情報共有がスムーズになるツールです。

slack.com

システム開発演習ごとのチームで進めながら資料やプログラミングのソースを簡単に共有できるし、それに対するコメントも残しやすい、リアクションもしやすいということもあり、Slackには最初から最後までお世話になりっぱなしでした。

個人的にはリアクションのスタンプが種類多くある、なんならカスタマイズできるのがすごく良いな~と思ってます。

内容について了解したことを手を挙げるスタンプ1つで表すことができるのって素晴らしいですよね。

最終的には14個のチャンネルが立てられてました。「疑問なんでも」チャンネルは講義中に出た疑問をなんでも投稿して良いというチャンネルで、 講義中に疑問があってもその場で発言し辛いという意見を受けて作ってみたチャンネルなのですが、なかなか機能しなかった…。

講義中の質問しやすいツール活用はまだまだ模索中です。Scrapboxが良いという話も聞きますが…。どうなんですかね?使ったことある方いたらコメント欄に書き込んでほしいです。

一番盛り上がったチャンネルは言わずもがな雑談チャンネルでした。

miro

miroは最近、使っている人も多いかもしれないですね。オンラインホワイトボードサービスで、同時に複数人がボードにアクセスして編集することができます。使い方はこんな感じです。

utilly.jp

色んなテンプレが揃っているのですが、新入社員研修の中ではグループワークでブレインストーミングする際にペタペタと付箋を貼る感じで使いました。 実際のグループワークで作られたmiroの一部です。

タイマー機能もついてたり、かなり便利なツール…に見えていたのですが、使う側にとっては拡大縮小機能が使いづらかったそう…。人により拡大率がバラバラになってしまって付箋の大きさを揃えるのが大変だったとか。傍から見てる分には便利そうだし面白いんですけどね。私が試した時は拡大率バラバラになったりしなかったんだけどな~。なんでだろうな~。

講師(70代)は最初、使用することに懐疑的でしたが、実際に使ってみて

「面白い!使える!見やすい!」

とご満悦でした。

Slido

これも各種オンラインイベントで使われていたり、色んなところでよく見るので一般的になってきているかもですね。

www.sli.do

システム開発演習の最終発表の時に観覧にきてくれていた方からコメントや質問を募る時に使いました。

新入社員からは研修講義中も「質問がしづらい、講師の説明をさえぎるのが憚れる、匿名で質問したい」等の時に使いたいという要望があったのですが Zoomのチャット機能を活用してほしいという気持ちと、匿名で質問されても講師が答えにくいだろうという気持ちから通常の講義の時には使用してませんでした。

演習の最終発表の時も「どうせみんなZoomで見ているのだからZoomのチャット機能でコメントください!」と思っていたのですが、直前に参加した別の講演に参加して気付きました。

圧倒的に匿名の方が気軽に投稿できますね。

当たりまえか。ツール併用するのって手間だし面倒と思って避けがちなのですが、やっぱり使いやすいツールを使ってコメントを出しやすくするのがなにより大事だなぁと思いました。

とは言えこれも苦労があり…。

社内ポータルサイトの掲示にはZoomのurlと併せてSlidoのurlも載せているのですが、そのリンクに気づいていない人もいると思う(Zoomより気づきづらい、Slidoを知らなかったらリンクにアクセスすべきなのかよくわからないなどある・・・)ので、リンクをZoomのどこかに表示させたままにしておきたいのですが、どうすれば良いんでしょうね。

一応、ミーティングの名称にリンク先を入れたり、チャットで定期的に投稿してもらったりしましたが、なにかスマートな方法あったら教えてもらいたいです。

今後はオンライン発表やるならミーテイング名称にリンク先いれるのが当然という文化になれば良い気がします。

特製モニター

ツールというかモニターなのですが、特製のキメラモニターなのです…。

こちら当社がZoomを導入する前に利用していた、専用TV会議システム時代のモニター&カメラ一体セットです。

2019年後半ぐらいまで当社では各階にこの大型モニターセットが準備されており、オンライン会議の際は予約して会議室まで引っ張っていって毎回利用者が専用回線にセッティングしなければいけないという状況でした。大変でした。

昨年Zoom導入後より社内研修のいくつかはオンライン研修の準備を進めていました。その際気づいていたのですが、大型モニターセットに代わり会議室ごとに設置されたZoom用のカメラが、前と異なり三脚の固定カメラとなっていました。

固定カメラだとズームイン・アウトができない、映せる範囲が固定化してしまう、など不便な点があったので情報システム部の方々にご相談させていただいたところ、こんな素晴らしいキメラモニターを作成いただいたのです。

※モニターの上にカメラが載っています。

モニターにオンライン参加者の顔が映ることで、まるで等身大の人間がいるかのようになります。

かつ、モニターの場所とカメラの場所が同位置なのでモニターに向かって喋りかけたときにオンライン参加者とリアル参加者の目線が合うようになるんです。(めちゃ大事)

これに専用のマイクスピーカーを取り付ければ、リアル会場に4人+オンライン1人という状況でもまぁまぁスムーズにグループ作業ができる、と。

ただ、マイクスピーカーが高性能すぎて他の班の会話も拾ってしまうため、オンライン参加者のいる班だけホワイトボードで周りを囲むという工夫も同時に行いました。この専用セットがなければオンライン+リアルでグループワークはできなかったかもしれないです…。

3.いろいろな難しさと様々な気づき

ずっとイヤホンはきつい⇒単身者はスピーカーが良い

これはもう長時間の会議をZoomで行っている皆さんは痛感しているところかと思いますが、イヤホンで直接的に音声を聞き続けるのって本当に疲れますよね。

人の耳ってすごくよくできているんだな~ってオンライン研修を通して気づきました。耳って様々な環境音を聞きつつ、一番聞きたい音に意識を傾けて自動調節しているみたいです。

それが無くて、一定の音量をずっと聞かされるのってめちゃくちゃ疲弊します。しかも講師によってはオンライン研修に慣れてなくて声を張り上げるように発声する人もいたので、それをイヤホンで聞くのはかなりしんどかったと思います。

解決方法としてはスピーカーを付けて聞いているという人がいたのですが、それこそ最適解だと思います。

とは言え、そんなことが可能なのは単身で住んでいるからこそ…。改めて家族(特にお子さん)がいらっしゃる在宅勤務の方々はいろんな苦労をされているのだろうな…と思いました。

耳からの情報はすぐ抜ける⇒資料が大事

これはリアルの研修でも割とそうだな~と思っているのですが、伝えたいことは視覚で見せながら口頭でも強調して話さないと聞いている人の意識から抜け落ちてしまうんですよね。

で、特にオンライン研修だと耳からの情報だけ、モニターには各自の作業画面が映っている…という状況だと、どうしても集中力を欠いて聞き漏れが発生するな~と実感しました。

何でも良いから可視化されたドキュメントがあるのとないのとは全く違うので、講師にはなるべく資料化して話してもらいました。(100%ではないですが)人事も連絡事項は口頭で伝えた後に必ずSlackにも載せてました。

雑談むずかしい⇒Slackやブレークアウト機能を使う

これは色々なところで言われ続けているリモート勤務時の弊害かな~と思うのですが、やっぱり雑談が難しい。

新入社員研修って同期どうしの仲を深めることも大きな目的の一つなのに、オンラインだと雑談が発生する時間が非常に乏しくてコミュニケーションが活性化されないというのが本当に顕著でした。

雑談って、はい雑談してください。と言われてもなかなかできないものですよね。同時に何か同じ事象を見ているから生まれるものであり、身体的距離感の近さから少し声をかけるという現象が発生するわけなのですが、オンライン研修は参加者におしなべて平等に声をかけてしまいます。

これを解決するのはSlackの雑談チャンネルで思いついた話題を投げてもらったり、Zoomでブレークアウトして少人数でいる時に喋ってもらうぐらいしか解決方法はないかなと思いました。まぁでもブレークアウトも講義中の課題を解く時のわずかな時間だけだったりするので、そんなに話しやすい環境でもなく…。

しかもみんな(そこそこ)真面目で講義中にあまり脱線した話もしないので、雑談はやりづらかったのではないかと思います…。

研修後のアンケートでも「オンライン研修の2か月間は仲良くなった感じがしなかった。出社し始めて打ち解けることができた。」というコメントもあって、そうだよね~と思いました。

音声問題⇒がんばってなるべく早めに気づく

音声問題については尽きることがありません。ハウる、ミュートされてる、共有されてる音がうるさい、ご近所のワンちゃんが鳴いてる、近所で工事が始まった…など。

Zoom=音声との戦い。

特にオンライン+リアルの環境でリアルから何台かでZoomに入っていると必ず、何かしらでハウる(ハウリングする)という。

まぁでもこれは冷静に考えればどこかの近くの二か所から音が出力されている、またはマイクがオンになっているからハウるので、それの原因をつきとめて音の出力をゼロにすれば良いのです。が、意外と見つけづらいし、見つからないとパニックになるという。

以下はハウった原因一覧です。ご参考ください。

  • 講師PC(音の出力ゼロになってます、ミュートになってますと言われても自分の目で確認することが大事。何より大事。)
  • iphone(iphoneでZoomに入った時も忘れず音の出力も0になるまで下げましょう。というか下げますよね。私は忘れてたし原因が思いつかなった。)
  • プロジェクター(盲点)

普通に気づけよという話もあるのですが。

というか、シンプルにオンラインだけだったらすぐ気づくのですが、リアルも含まれているとリアル会場では普通に進行できているから気づきにくい。 しかも、オンライン参加者が発声しづらい状況にあると気づくのがより一層遅れるという。そして、会場の担当者はそういう時はだいたい前に立って話しているような状況が多いのでSlackや何かで連絡しても気づきにくいという面もあり。

結局、トラブルが起こったら会場にいる担当者に直接電話するのが一番早く解決できるな~と思いました。

ミュートもあるあるなので、やっぱり話始めはメインマイクとして使っているPCのスピーカーがオンになっているかを確認するのが一番良いです。

これ、けっきょく事前に確認すれば良いじゃん?という話が大きくあると思うのですが、演習が含まれる研修はその場で考えて環境を変えることも多々あるので、全ての環境を事前に確認するというのはなかなか難しいんです。(と思うのですが、熟達者はそんな言い訳しないのかもしれない。)

あと音声トラブルって発話者は気づきづらいからトラブルがあったら、聞いている人たちはすぐに教えてあげてください。

ご近所音声トラブルはもはや在宅勤務そのものの弊害ですね。辛い。

4.まとめ

長くなりましたが、結論としてはオンライン研修は運営面で考慮しなくてはいけないことが色々あると気づきました!(今更)特にオンライン+リアルが一番難しい。でも一番可能性が広がる状況でもあると思います。

受講する人が状況に応じて自分にあった環境を選べることが何より大事だと思うので、その意味で選択できる環境を広げることは重要だと考えてます。 VRがもっと発展してVR研修や会議ができるようになれば、結構多くの問題が解決されそうだな~とも思うので、VRの発展も楽しみに待ちたいところです…。

あと、ここまで長々書きましたが、たぶん私以外の人がやったらより上手くいくんじゃないかな~みたいなところも多々あるので、何か気づいたことあればぜひ共有してもらいたいです。

何はともあれ、無事に新入社員研修が終わって良かったです。心からほっとしました。(いまだに配属式の夢とか見てうなされたりもしますが笑)

難しい状況下で協力していただいた多くの社員の皆様、文句も言わず(たまに言ってたけど)受講してくれた新入社員の皆さん、ありがとうございました。

今年の研修も多くはオンラインになりそうなので、また気づきがあれば共有します!