インテージテクノスフィア技術ブログ

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進化を作るコーチングの「質問の力」~新卒3年目営業マンが語る~

こんにちは。アイダです。突然ですが皆さんは「コーチング」と聞くとどんなイメージを持たれますか?

私はテニスや野球など指導者のイメージしか浮かびませんでした。しかしこれは大変古い知識だったようで、調べたところ開発、特にアジャイル開発では「アジャイルコーチ」という職種があり、コーチングが重用されていることを知りました。

自分の知識不足を思い知った昨今だったのですが、そこに「自分にコーチをつける」話を入社3年目のTさんが投稿してくれました。コーチという言葉には指導者のイメージがありますが、自分に対してのコーチングとはどのようなことなのでしょうか? ではTさん宜しくお願い致します。


テーマについて

こんにちは。AI•DXビジネス本部のTです。今回ご指名がありまして投稿することにしました。

今回は少し毛色を変えたテーマにします。

私は新卒2年目より営業をしていますが、お客さんにもインテージの方々にも、

「Tくん何年目なの?」と聞かれ、「3年目です!」というと、

「そうなんですか。前職はどこだったんですか?」と毎回言われてしまいます。

しかし、良くも悪くも営業では「若く見えない」は相手からの信頼獲得では強みになるのでこれも1つの才能と思っています。

「自分にコーチをつける」とは

今回はそんな新卒3年目の私がコロナ禍の中ではじめた新しい取り組みをご紹介します!!

その取り組みとは、「自分にコーチをつける」です。

「・・・・???」「なんだこいつ、、、」と思われるかもしれませんが、

実は、「コーチをつける」ということは、アメリカではもはや当たり前。歯医者に行く感覚で皆がコーチをつけています。

有名な話では、マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問であるビル・ゲイツは常に6人のコーチをつけています。

彼はTedで「Everyone needs a coach」と言いました。

さらに、

「すべての人にコーチは必要です。

 私たちには、フィードバックをしてくれる人が必要なのです。

 私たちは、フィードバックを受けることで、向上するのです」

といいました。

コーチングは、コーチがクライアントに質問を通じて、

クライアントに新しい気づき=視点を作ります。

新しい視点がつくられるということは、新しい在り方が生まれます。

そして、新しい在り方が生まれると、新しい行動が生まれ、自分では成し遂げられない結果を作ることができます。

つまり、コーチングは自分自身ではできない速さで目標達成をつくる技術といえます。

私は自分にコーチをつけて自分自身が大きく変化できたので、

自分も「プロコーチになりたい!」と思い、以下に70万円の投資をしました。

  • NLP認定プロフェッショナルコーチ資格

  • TCSコーチングスキルアドバイザー資格

なので、「プロコーチ」として今日はお伝えしていきます!

改めてコーチングとは?

「質問の力」の前提に、そもそもコーチングとは?というところから説明します。

コーチングは、流派によってもやや説明が違いますので参考までに以下に記載をします。

・コーチは古い英語からきている

・「動いているもの」が語源

・コーチングはアウトカム。つまり目標や達成したいことに向かうことで解決思考

・コーチングのゴールの1つは相手が本当は何が欲しいかを明確にし、そこに進むこと

・コーチングは、人が何が欲しいかを明確にし、自分一人ではいけない速さでゴールに向かうことを手伝うこと 

・カウンセリングと勘違いしやすいが、カウンセリングは過去に目を向ける、コーチングは今と未来に目を向ける

・コーチングでは、「答えはクライアントの中にある」という考えを持つ

・コンサルティングがコンサル側に答えがあるという考えを持つなら、コンサルの逆の立場を取る

こんな感じです。

少なくとも、クライアントの進化を作り、答えはクライアントにあるという考えは概ね共通の考えだと思います。

コーチは「動いているもの=次の場所へ移動する」と語源から、

以下のように使われていたりします。

  • 例えば長距離バスを「モーターコーチ」と呼ぶ
  • エコノミークラスを「コーチクラス」と呼ぶ

このことから、コーチングは「クライアントを次の場所へ移動するサポートをする」 と言っても良いかと思います。

コーチングが多くの人に利用されている理由

コーチングは、上記に記載の通りアメリカをはじめ全世界で広まりつつありますが、その理由は明白で、コーチングがクライアントの結果を作ることができるからです。

特に、自分一人で考えていると同じ視点ばかりで物事を考えてしまいますので、行動も制限され、よい結果を生み出しづらいです。

しかし、コーチングは、自分では気づけない新しい視点に気づくことができることから、新しい行動を生み出し、新しい結果を作ることができるのです。

コーチングで進化を作る「質問の力」

それでは、ようやく本題ですね。(前置きのほうが長いのでは、、)

今回は、NLPというコーチング流派の考え方としての進化の作り方を記載します。

多くの流派でコーチングは質問をすることでクライアントに新しい視点を与えることをします。

その仕組みをお伝えします。

結論、進化をつくり最高の結果を生み出す方法は

質問→焦点→脳の空白化→RAS発火→脳の空白が埋まる→新しい気づきが得られる→新しい行動が生まれる→新しい結果がつくられる

という流れです。詳しく解説します。

①意識は同時に2つのことを捉えることができない

私たちは、原則として意識を同時に2つのことに向けることはできません。

つまり、意識は1つのことにしか目を向けることはできないのです。

②「質問」を通じてクライアントの焦点を動かす

意識は1つのことにしか目を向けることができないので、私たちは今も何かしら1つのことだけに焦点があたっています。

だからこそ、「質問」を通じてクライアントの焦点を動かしていきます。

つまり、コーチングにおいては、この1つしかない焦点をどこに向けるのかがポイントになります。

③普段意識をしないことや答えがすぐにでない質問によって、1つの焦点が作りだされると同時に脳に空白ができる

コーチはクライアントが普段意識をしないことに対して質問をします。

例えば、「好きな食事は?」という質問は意識的な部分への質問であまり効果はありませんが、「あなたにとって成功とはなんですか?」という質問をすると、多くの方がすぐに答えを出すことができません。

これは、普段意識しない部分に対して質問をしているからです。

このすぐに答えることのできない潜在的な部分に対する質問が効果的な質問です。

この無意識に働きかける質問は、脳にわからないことを作らせています。

それにより脳に「空白」が生まれます。

④脳は空白を埋めるために、脳の自動検索機能を働かせる

脳はわからないこと(空白)が生まれると、答えが出るまで無意識レベルで考え続けます。

なぜなら、脳はわからない状態を嫌がるからです。

ミステリードラマの犯人が気になって次回も見たくなる。

有名な俳優の名前がふと出てこなくなって検索したくなるといった現象はまさに脳がわからない状態を嫌がっている状態です。

しかし、この状態がとても重要なのです。

脳は空白の状態を埋めるために、脳幹網様体賦活系(reticular activating system:RAS)という脳の機能が空白を埋めるための情報を取得しようとします。

RASは、必要と考える情報のみを取得し、不要な情報はシャットアウトする機能を持ちます。

例えば、「転職したいけどどういう業界や会社がいいんだろう」という問いがある方は、これに対して脳に空白ができます。

そうすると、RASがこの問いに対する答えを収集するために転職に関連したデータを取得しはじめます。

転職活動をはじめたら、転職関連の記事が目についたり、街中の転職に関する広告に目がいくのはこのRASが関係しているというわけです。

このことから、仮にあなたが友人たちと街を歩いていても、一人ひとりの見える世界は違うというわけです。→犬が好きな人は犬に目が行くし、子育てをしている人は赤ちゃんがいるとそこに目がいく。

⑤脳の空白が埋まり、新しい気づきが得られ、新しい行動が生まれ、最高の結果が作られる。

RASの発火によって、自分に生まれた問いに対する脳の空白が埋まります。

結果、新しい気づきが生まれることで、クライアントは新しい視点を得ます。

このことから、クライアントの在り方が変化します。

そうすると、これまでとは異なる新しい行動が生まれ、最高の結果が作られていくということです。

在り方(Be)の進化→行動(Do)の進化→結果(Have)の進化

まとめ

このことから、脳に空白をつくることが大切であり、そのためにはそこに焦点を当てる質問が大切というわけです。

さらには、その質問が自分が気づいていない部分やすぐに答えが出ない問いであればあるほど、より大きな気づきを得ることができます。

結果として、新しい気づきによって新しい行動が生まれ、新しい結果がつくられます。

だから、私たちはコーチと協同関係を結び自分の気づかない視点を得ることが必要というわけです。

質問は、脳の機能からしても相手の進化を作れます。

そして、私は今後営業をするときもこのコーチングの原理を応用したいと思います。

さて、「質問の力」をみなさん感じていただけたでしょうか?

これは同僚間の間でも使える技術ですし、対顧客でも使えると思いますのでぜひ活用してみてください!